昨日のブログで雨による災害について触れましたが、もちろん雨は私たちに災いだけでなく様々な恵みをくれるものです。
雨の恵み
「恵み」というと最初に思いつくのは米を中心とした農作物の提供だと思います。「慈雨」という言葉は、人々がいかに雨を心待ちにしているか、雨がいかに人々の生死に直結するかが現れていると感じます。
一方、雨は文化も豊かにしてきました。日本の歴史の中で「雨」は情緒的に捉えられ、様々な言葉や意匠でその姿を描写されています。
雨と和菓子
昨日のブログで取り上げた、企画展「雨を感じる」では雨を描いた和菓子・文学・浮世絵が展示されています。
和菓子は勿論とらやさんのもので、大正7(1918)年と昭和10(1935)年の菓子見本帳(現代の商品カタログ)から雨を題材にしたお菓子の絵が6種類展示してありました。
6種類のうちの一つ「湿粉製 五月雨」(上写真の左から二番目)は五月雨の風情を抽象的に表現しているもので、今月末まで販売しています。東京ミッドタウン店の限定メニューだそうで、是非味わってみたかったのですが、あいにく私が行った日は人気のため売り切れでした。
「湿粉製 五月雨」の初出はなんと明和7(1770)年だそうです。同じお菓子を通して、約250年前の人々と「雨」の美しさを共有できるのはとても幸せなことだと私は思うのですが、いかがでしょうか。