若葉の美 若楓(わかかえで)


鎌倉・明月院の本堂後庭園では、有名な紫陽花や花菖蒲といった花々の他にも若楓(カエデの若葉)の美しさを楽しむことができました。

また、若楓の下で見る花菖蒲は青い空の下で見る花菖蒲とはまた違った趣がありました。

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若楓(わかかえで)

カエデと言うと、秋の紅葉を連想する方が多いと思いますが、夏の若楓にはまた違ったみずみずしい美しさがあります。青楓(あおかえで)・楓若葉「かえでわかば」とも呼ばれます。

カエデという植物名は、葉の形がカエルの手に似ていることから付けられたと言われています。

若楓と日本人

日本では昔から若楓(わかかえで)が愛でられてきました。

例えば、平安時代の源氏物語 第二十四帖「胡蝶」には源氏邸の庭で若楓が茂っているという表現があり、日本人に古くから愛されてきた植物だということがわかります。

鎌倉時代の吉田兼好によるエッセイ『徒然草』139段には「卯月ばかりの若楓、すべて、よろずの花紅葉にもまさりてめでたきものなり。」とあり、吉田兼好が卯月(旧暦4月。現代と違い、4月は初夏。)の若楓を特別に美しいものと感じていることがわかります。

「若楓」は夏の季語とされています。時代が下って江戸時代中期には与謝蕪村が「三井寺や 日は午にせまる 若楓」という俳句を詠んでいます。

日本にはたくさんの美しい植物がありますが、若葉の美しさを堪能できる時期は限られています。機会があれば是非若葉の美しさを感じにお出かけください。

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