水無月祓と暦


先日のブログでは和菓子の水無月について書きました。今日は暦の水無月についてのお話です。

暦と祓

一年を陰と陽とに分けたとき、春夏は陽、秋冬は隠となります。つまり水無月祓が行われる6月30日は、夏の終わりを意味し、7月からは秋が始まります。

陰陽の変わり目には半年間の穢れを「大いに祓い」ます。よって年末の大晦日の大祓に対して、6月30日にも大祓を行うことになるのです。

さて、「6月30日は、夏の終わり」と書きましたが、これって現代の私たちからすると変な感覚ですよね。6月最終日といえば、もう暑さは始まっているとはいえ、暑さの本番はこれからといったところだと思います。

太陽暦と太陰太陽暦(旧暦)

なぜこのような違和感が生まれるかというと、太陰太陽暦(旧暦)の考えに則って設定された陰陽の変わり目の日を、太陽暦に則って生活している現代においても日付を変更せずに運用しているからです。

旧暦の水無月(6月)は現代の6月下旬から8月上旬に当たります。2016年の場合、旧暦6月30日は太陽暦の8月2日に当たるそうです。

「水無月」の語源には諸説あり、梅雨明け後で夏の盛りであることから、水が涸れて無くなる月であるという説や、田んぼに水を引く必要のある月なので「水張月(みずはりづき)」「水月(みなづき)」「水の月(無をのという意にして→水無月)」という説などがあります。

本来の水無月の最終日が8月上旬であると考えると、「水無月の最終日は夏の終り」というのもしっくりくるのではないでしょうか。

現代社会における旧暦

現代日本は、明治初期に導入された太陽暦(グレゴリオ暦)に則って社会が動いています。しかし2000年代以降、書店で「旧暦」「二十四節気」「七十二候」といった昔ながらの季節の分け方に注目した本を見るようになった気がします。

おそらく現代人が昔ながらの暦に関する知識を失ってきてしまったため、書籍で知識を身につけたいという需要があるのが理由の一つだと思います。

その他、自然を反映した旧暦が人間の体調の変化に合っていることや、旧暦を知ることが自然を楽しみ人生を豊かにすると再評価されているのではないかと考えています。

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