旧古河庭園に行ってきました


大正ロマンの邸宅として、また薔薇の庭園として有名な旧古河庭園に行ってきました。

IMG_4137

旧古河庭園とは?

旧古河庭園は、もともと明治の元勲・陸奥宗光の別邸でした。彼の次男潤吉が古河財閥の創業者である古河市兵衛の養子となった折、古河家の所有となりました。尚、この当時の建物は現存していません。

武蔵野台地の斜面と低地という地形を活かして、北側の小高い丘には洋館を建て、斜面には洋風庭園、そして低地には日本庭園を配しています。

わたらせ

わたらせ

ジャーマンアイリス

ジャーマンアイリス

カリフォルニア・ドリーミング

カリフォルニア・ドリーミング

ラ・フランス

ラ・フランス

見学者は北側から入り、洋館と階段状の洋風庭園を見学した後、日本庭園に降りていきます。

現在の洋館と洋風庭園はイギリスのジョサイア・コンドル博士の設計によるものです。現在の洋館は博士の最晩年の作品で、大正6(1917)年5月に竣工しました。躯体は煉瓦造、外壁は真鶴産の新小松石(安山岩)の野面積で覆われ、屋根は天然ストレート葺き、地上2階・地下1階の邸宅です。

日本庭園は京都の庭師植治こと小川治兵衛が作庭しました。
数少ない大正初期の庭園の原型を留める貴重な存在で、伝統的な手法と近代的な技術の融和により、和洋の見事な調和を実現している秀逸で代表的な事例であり、また、現存する近代の庭園の中でも、極めて良好に保存されている数少ない事例として重要であるとして、平成18(2005)年1月26日に国の名勝指定を受けました。

日本庭園

旧古河庭園はマスメディアなどではよく薔薇で有名な庭園として取り上げられますが、小川治兵衛による日本庭園も素晴らしいものです。

心字池(「心」の字に似せて造った池)を中心に枯滝・大滝・中島が配されています。東京都公園協会のHPによると冬の松の雪吊とこも巻・ソテツの霜除は風物詩になっており、夏の大滝の水音と秋の紅葉もおすすめだそうです。

私が特に印象的だったのが京都に多く関東では珍しいという崩石積(くずれいしずみ)と巨大な灯籠です。崩石積は茶室の側で見ることができます。

IMG_4134

IMG_4128 IMG_4125

同日に訪れた六義園が、柳沢吉保の教養の深さを感じるものの、あくまでも明るく軽やかなのに対し、旧古河庭園では洋風庭園にも日本庭園にも重厚さを感じました。

そこが元禄の大名庭園と大正の富豪の庭園の違いなのではないかと思いました。

【編集後記】

今回、旧古河庭園について調べて意外に思ったのが、国の名勝指定が平成18(2006)年とごく最近に行われたことです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする