昨日7月2日は2016年の半夏生でした。
半夏生
半夏生とは七十二候の一つ、夏至(二十四節気の一つ)の第三候にあたり、現在は雑節の一つとして残っています。
夏至(2016年の場合6月21日)から11日目のことを言います。
半夏(別名カラスビシャク)という水辺や低湿地に生える毒草の若根の生える頃という意味だそうです。
この日に降る雨を半夏雨といい、大雨が続くと言われていました。
また農業にとって大変重要な日で、古来この日までに田植えを済ませる、ということになっていました。〈半夏半作〉などといい,この日までに田植を終わらないと秋の実りが遅れて半分しか収穫量が見込めないと言われていたそうです。
機械化が進んでいない昔の農作業は今以上に重労働でしたので、この日までに農作業を終わらせ、その後数日間は休みをとり体を休ませる、という生活の知恵であったとも言われています。休みの時期、地方によって異なりますが、お餅・お団子・お寿司・お饅頭・ヤマノイモ・鯖等を食べるそうです。
この日は毒気が降るので「前夜から井戸や泉に蓋(ふた)をすべし」という迷信もあったとか。
生活の変化と言葉
さて、この半夏ですが、入梅や夏至に比べて、現代ではあまり意識されていないと思います。
理由は、日本の農業人口の割合が減ったため、影響を受ける人々が減ったからと思われます。
言葉は生き物です。俳句の季語も時代の変化によって増加しているそうですし、時代の変化によって注目を集める言葉と集めない言葉が発生するのは致し方ないと思います。
とはいえ季節に関する言葉を調べてみると、それらの言葉には先人の知恵が詰まっていること感じます。
時には使用頻度が減った言葉にも目を向けてはどうでしょうか。